デザインで公園らしい創造性と寛容さをにじませる
2023年度、名古屋市中区にある都市公園「Hisaya-odori Park」が毎月発行する情報誌「HiSAYA PRESS」のアートディレクションを担当しています。
Park-PFI制度によって久屋大通公園の北側は2019年に大きく生まれ変わり、環境の整備はもちろん、商業機能を兼ね備えた「Hisaya-odori Park」。そんな公園を起点に、久屋大通エリアまで範囲を広げながら、様々なトピックスをご紹介しています。
商業機能が備わった事でHisaya-odori Parkは従来の公園の持つイメージとは変わったかもしれません。一方で、芝生が広がっただけの大きな広場木に囲まれた広場なども存在しており、寝転んだりランチを食べたり、あるいはスポーツをしたりとあらゆる人が自由に過ごしています。また公園全体としても、24時間にわたってすべての人を受け入れ、天候や季節によって様々な表情を見せます。公園は常に開かれた人々の憩いの場であるということを念頭に置きながら、フレンドリーさを感じさせ、公園での過ごし方を想像させるデザインを心がけています。
街の「背骨」として。
Hisaya-odori Parkは南北に1km近くあり、立地的に街の「背骨」のようになっています。開いて出てくる中面では、そんな公園の俯瞰図を中央に配置し、周囲に情報を掲載。大きな紙面を活かして関係性を浮かび上がらせながら、この公園が街の機能としても背骨になっていることを示唆します。

居場所を考える
Hisaya-odori Parkを訪ねると、都会の中心でありながら居心地の良いリラックスした空気を感じられました。商業施設に付随した広場がある例は数多くありますが、Hisaya-odori Parkは「開かれている度合い」が圧倒的に高く、施設運営者が描く利用者像を強要されることもない、純粋な公共空間であることは最大の魅力です。
あらゆる物事が消費される今日に、「ただいていい場所」があることは街にとってとても健康的です。思い描く理想の「自分の街」は人によってそれぞれではあると思いますが、どんな人や意見も排除されることなく、全てを受け入れる場所が存在していることの価値を改めて感じました。
Editor in chief
Deputy editor
Art director
Producer
Illustrator
Akira Okura(Hisaya-odori Park DESIGN CENTER)
Miki Murase(MAISONETTE)
Kohei Imano(Nippon Design Center)
Shinshin Miyamoto(Nippon Design Center)
Miyuu Yamauchi(MAISONETTE), Chiho Yamamoto(Nippon Design Center)