まだない「ロゴ」からコミュニケーションを始める。
madanasasoのロゴラフ展「just draft」のアートディレクションをしました。madanasaso (マダナサソウ)とは株式会社On-Coが運営する、かつて印刷工場だったビルをリノベーションしたシェアスペースです。その名のとおり〝どこにも無さそうなもの〟を生み出す拠点で、モノづくりの工房やイベントスペースなどを併設。アイディアと熱量が交わり、また既存の価値観にとらわれない発想を具現化する、クリエイティビティに溢れた空間です。

今回このビルの機能が整理されたタイミングで、ロゴ制作のお話をいただきました。現在目下進行中ですが、この展示では、そんなロゴの一番はじめの「ラフ案」をご覧いただきます。

一風変わった展示内容ですが、この展示は、ロゴ制作のプロセスにおける「まだなさそう」ということで、madanasasoに訪れる様々な人とこのラフ案を通じてコミュニケーションを図り、また、それぞれの「まだないもの」へと思考をつなげることを目的としています。
「まだなさそう」を考える。
「まだなさそう」。使ったことのない言葉でした。 意味もわかりそうで、少しわからない。不思議なその言葉に魅力を感じました。果たして、「まだなさそう」はどのあたりに存在するのか。「まだない」と「ありそう」の間あたりでしょうか。もし「ありそう」なデザイン、というものが存在するとしたら、それはどんなものでしょうか。 
自分がデザインを通じて、社会に何かを発信するとき、様々な都合のいい言い訳を見つけながら、安直にものづくりをしていないか、最近よく考えています。そんな中「まだなさそう」と呼ばれる空間のロゴを考えることに、ある種運命的なものを感じました。 madanasasoの人たちと会話をする中で、皆さんのまだないものへ向かう情熱に感銘を受けました。「まだなさそう」は「ありそう」の少し手前で、もうすぐ社会に実装されそうな状況かもしれません。そう考えると、途端にワクワクしてきました。このロゴも、そんなプロセスを経て作ってみたい。制作過程の「まだない」を通じて、最適なロゴを見つけ出したいと思います。
Art Direction
Space Direction
Sign Production
Producer , Photograph
madanasaso Director
Exhibition Iidashippe
Imano Kohei
Narutaki Kosuke
Nishihata Takumi
Miyamoto Shinshin
Sato Shimon
Mizutani Takefumi